オシロスコープで周波数を測定する方法|周期から計算する手順を解説

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オシロスコープは、電圧の時間変化を波形として表示できる測定器です。

大学実験や電子工作では、オシロスコープを使って、

「この信号の周波数はいくつか」
「周期はどのくらいか」
「発振回路が正しい周波数で動いているか」

を確認することがあります。

しかし、初めてオシロスコープを使う人にとっては、

「画面の波形から周波数をどう求めるの?」
「TIME/DIVってどう読むの?」
「周期と周波数の関係がよくわからない」

と感じることも多いと思います。

この記事では、オシロスコープで周波数を測定する方法を、周期の読み取り方から初心者向けにわかりやすく解説します。

  1. 周波数とは
  2. 周期とは
  3. 周波数と周期の関係
  4. オシロスコープで周波数を測定する基本手順
  5. 手順1:波形を安定して表示する
    1. トリガソースを確認する
    2. トリガレベルを調整する
    3. スロープを確認する
  6. 手順2:TIME/DIVを調整する
    1. 波形が詰まりすぎている場合
    2. 1周期が画面に収まらない場合
  7. 手順3:1周期分の横幅を読む
    1. 正弦波の場合
    2. 方形波の場合
    3. 読み取り例
  8. 手順4:周期から周波数を計算する
  9. 周期と周波数の計算例
    1. 例1:周期が1msの場合
    2. 例2:周期が20msの場合
    3. 例3:周期が10μsの場合
  10. TIME/DIVから周期を読む具体例
    1. 1周期が5目盛りの場合
  11. カーソル機能を使って測定する方法
    1. カーソルを合わせる位置
    2. カーソル機能のメリット
  12. 自動測定機能を使う方法
    1. 周波数を表示する方法
    2. 自動測定機能の注意点
  13. 波形ごとの周波数測定のポイント
    1. 正弦波の周波数を測定する場合
    2. 方形波の周波数を測定する場合
    3. PWM信号の周波数を測定する場合
  14. 周波数測定でよくあるミス
    1. msやμsを秒に直し忘れる
    2. 1周期ではなく半周期を読んでしまう
    3. TIME/DIVの設定を読み間違える
    4. 波形が流れたまま測定してしまう
    5. ノイズを周期として読んでしまう
    6. AC結合とDC結合の設定を間違える
  15. 大学実験レポートでの書き方例
    1. レポート記述例
    2. 考察で書くとよいポイント
  16. 初心者におすすめのオシロスコープ関連アイテム
  17. 安全上の注意
  18. まとめ

周波数とは

周波数とは、1秒間に波が何回繰り返されるかを表す量です。

単位はHz、ヘルツです。

たとえば、1秒間に波形が1000回繰り返される信号は、周波数が1000Hzです。

1000Hzは、1kHzとも表します。

周波数は、音、交流信号、クロック信号、PWM信号、発振回路など、さまざまな場面で使われます。

大学実験では、発振回路、RC回路、交流回路、デジタル回路の測定でよく登場します。

周期とは

周期とは、波形が1回繰り返されるのにかかる時間のことです。

単位は、秒、ミリ秒、マイクロ秒などで表します。

たとえば、同じ形の波が1msごとに繰り返されている場合、周期は1msです。

オシロスコープでは、画面の横軸が時間を表しています。

そのため、波形の1周期が横方向に何目盛り分あるかを読み取ることで、周期を求めることができます。

周波数と周期の関係

周波数と周期には、次の関係があります。

周波数 f = 1 / 周期 T

ここで、

f:周波数[Hz]
T:周期[s]

です。

たとえば、周期が1msの場合を考えます。

1msは0.001秒なので、

f = 1 / 0.001 = 1000Hz

となります。

つまり、周期が1msの信号の周波数は1kHzです。

周期が短いほど周波数は高くなり、周期が長いほど周波数は低くなります。

オシロスコープで周波数を測定する基本手順

オシロスコープで周波数を測定する基本的な流れは、次の通りです。

1. 波形を安定して表示する
2. 1周期分の横幅を読む
3. TIME/DIVを確認する
4. 周期Tを計算する
5. f = 1 / T で周波数を求める

最近のデジタルオシロスコープでは、自動測定機能で周波数を表示できる場合もあります。

ただし、大学実験では手計算で求める場面も多いため、周期から計算する方法を理解しておくことが大切です。

手順1:波形を安定して表示する

まず、オシロスコープの画面に波形を安定して表示します。

波形が横に流れている状態では、周期を正しく読み取ることができません。

波形が流れる場合は、トリガ設定を確認します。

トリガソースを確認する

CH1で測定している場合は、トリガソースもCH1にします。

CH1に信号を入力しているのに、トリガソースがCH2になっていると、波形が安定しないことがあります。

トリガレベルを調整する

トリガレベルは、波形の中央付近に設定すると安定しやすいです。

正弦波なら波形の中心付近、方形波ならHighレベルとLowレベルの中間付近に設定します。

スロープを確認する

スロープは、信号がトリガレベルを通過する向きを指定する設定です。

迷った場合は、まず立ち上がりに設定しておくとよいです。

トリガについては、別記事「オシロスコープのトリガとは?波形が流れる原因と対処法」でも詳しく解説しています。

手順2:TIME/DIVを調整する

次に、横軸の時間設定であるTIME/DIVを調整します。

TIME/DIVとは、画面の横方向1目盛りあたりの時間を表す設定です。

たとえば、TIME/DIVが1ms/divの場合、横方向の1目盛りが1msを表します。

周波数を測定するときは、画面に1〜3周期程度が表示されるように調整すると読み取りやすいです。

波形が詰まりすぎている場合

波形が横方向に詰まりすぎている場合は、TIME/DIVを小さくします。

すると、時間軸が拡大され、波形の1周期を読み取りやすくなります。

1周期が画面に収まらない場合

波形が広がりすぎて1周期が画面に収まらない場合は、TIME/DIVを大きくします。

すると、より長い時間範囲が画面に表示されます。

手順3:1周期分の横幅を読む

波形が安定したら、1周期分の横幅を読み取ります。

正弦波の場合

正弦波であれば、山から次の山まで、または谷から次の谷までが1周期です。

また、0Vを上向きに通過する点から、次に0Vを上向きに通過する点までを1周期として読むこともできます。

方形波の場合

方形波であれば、立ち上がりから次の立ち上がりまで、または立ち下がりから次の立ち下がりまでが1周期です。

立ち上がりから立ち下がりまでを1周期と間違えないように注意しましょう。

読み取り例

たとえば、波形の山から次の山までが横方向に4目盛り分あったとします。

この場合、1周期は4divです。

ここでTIME/DIVが0.5ms/divであれば、

周期 T = 4div × 0.5ms/div = 2ms

となります。

手順4:周期から周波数を計算する

周期が求まったら、周波数を計算します。

周波数は、

f = 1 / T

で求められます。

先ほどの例では、周期Tが2msでした。

2msは0.002秒なので、

f = 1 / 0.002 = 500Hz

となります。

つまり、この信号の周波数は500Hzです。

計算するときは、msやμsを秒に直してから計算するのがポイントです。

周期と周波数の計算例

ここでは、よくある例をいくつか紹介します。

例1:周期が1msの場合

周期が1msの信号を考えます。

1msは0.001秒です。

f = 1 / 0.001 = 1000Hz

したがって、周波数は1kHzです。

例2:周期が20msの場合

周期が20msの信号を考えます。

20msは0.020秒です。

f = 1 / 0.020 = 50Hz

したがって、周波数は50Hzです。

日本の商用電源周波数の一部地域では50Hzが使われています。

ただし、家庭用コンセントのAC100Vを一般的なオシロスコープで直接測定するのは危険なので、初心者は絶対に直接測定しないようにしましょう。

例3:周期が10μsの場合

周期が10μsの信号を考えます。

10μsは0.000010秒です。

f = 1 / 0.000010 = 100000Hz

したがって、周波数は100kHzです。

μsを秒に直すときは、桁を間違えやすいので注意しましょう。

TIME/DIVから周期を読む具体例

ここでは、オシロスコープ画面から周期を読む具体例を考えます。

1周期が5目盛りの場合

画面上で、波形の1周期が横方向に5目盛り分あったとします。

TIME/DIVは200μs/divです。

この場合、周期は次のように求めます。

T = 5div × 200μs/div
T = 1000μs
T = 1ms

周期が1msなので、周波数は、

f = 1 / 0.001 = 1000Hz

となります。

したがって、この信号の周波数は1kHzです。

このように、オシロスコープでは横方向の目盛り数とTIME/DIVを使って周期を求めます。

カーソル機能を使って測定する方法

デジタルオシロスコープには、カーソル機能がついていることがあります。

カーソル機能を使うと、波形上の2点間の時間差を画面上で読み取ることができます。

カーソルを合わせる位置

周波数を測定する場合は、1周期分の間隔にカーソルを合わせます。

正弦波なら、山と次の山にカーソルを合わせます。

方形波なら、立ち上がりと次の立ち上がりにカーソルを合わせます。

このとき表示される時間差が周期Tです。

その周期を使って、

f = 1 / T

で周波数を求めます。

カーソル機能のメリット

カーソル機能を使うと、目盛りを目で読むよりも正確に測定しやすくなります。

大学実験でレポートを書く場合も、カーソル機能で周期を読み取ると説明しやすいです。

自動測定機能を使う方法

最近のデジタルオシロスコープには、自動測定機能がついているものが多いです。

自動測定機能を使うと、画面上に周波数や周期、振幅、最大値、最小値などを表示できます。

周波数を表示する方法

周波数を表示したい場合は、測定項目からFrequencyやFreqを選びます。

周期を表示したい場合は、Periodを選びます。

機種によって表示名は異なりますが、多くのデジタルオシロスコープでは測定メニューから選択できます。

自動測定機能の注意点

自動測定機能はとても便利ですが、注意点もあります。

波形が不安定だったり、ノイズが多かったり、トリガがうまくかかっていなかったりすると、表示される値が安定しないことがあります。

そのため、自動測定値だけを信じるのではなく、画面上の波形と周期も確認することが大切です。

波形ごとの周波数測定のポイント

測定する波形によって、周期を読み取る位置が少し変わります。

ここでは、代表的な波形ごとにポイントを整理します。

正弦波の周波数を測定する場合

正弦波の周波数を測定する場合は、山から次の山まで、または谷から次の谷までを1周期として読み取ります。

正弦波はなめらかな波形なので、ピークの位置を読むときに少し誤差が出ることがあります。

カーソルを使う場合は、同じ位相の位置を選ぶことが大切です。

たとえば、

  • 山から次の山
  • 谷から次の谷
  • 0Vを上向きに通過する点から次の同じ点

のように、同じ条件の点を選びます。

正弦波の場合、トリガレベルを0V付近や波形の中央付近に設定すると安定しやすいです。

方形波の周波数を測定する場合

方形波の場合は、立ち上がりから次の立ち上がりまでを1周期として読み取るとわかりやすいです。

方形波は立ち上がりや立ち下がりがはっきりしているため、周期を読み取りやすい波形です。

ただし、プローブ補正が合っていないと、立ち上がり部分が丸くなったり、角が飛び出したりすることがあります。

そのため、方形波を測定する前には、プローブ補正を確認しておくと安心です。

プローブ補正については、別記事「オシロスコープのプローブ補正とは?なぜ方形波で調整するのか」でも解説しています。

PWM信号の周波数を測定する場合

PWM信号とは、HighとLowを繰り返す信号です。

モーター制御、LEDの明るさ制御、マイコンの出力制御などに使われます。

PWM信号でも、立ち上がりから次の立ち上がりまでが1周期です。

PWM信号では、周波数だけでなく、デューティ比も重要です。

デューティ比とは、1周期の中でHighになっている時間の割合です。

たとえば、周期が1msで、Highの時間が0.5msなら、デューティ比は50%です。

周波数を測定するときは、まず周期を読み取り、そこから周波数を求めます。

その後、必要に応じてHigh時間を読み取ってデューティ比を求めます。

周波数測定でよくあるミス

オシロスコープで周波数を測定するときには、いくつか注意点があります。

msやμsを秒に直し忘れる

一番多いミスは、周期の単位を秒に直さずに計算してしまうことです。

周波数を求める式は、

f = 1 / T

ですが、このときTは秒で入れる必要があります。

たとえば、周期が2msなら、

2ms = 0.002s

として計算します。

2のまま計算すると、まったく違う値になります。

1周期ではなく半周期を読んでしまう

正弦波や方形波では、1周期の範囲を間違えることがあります。

正弦波の場合、山から谷までは半周期です。

山から次の山までが1周期です。

方形波の場合、立ち上がりから立ち下がりまでを1周期と間違えることがありますが、これは通常半周期です。

立ち上がりから次の立ち上がりまでを1周期として読み取りましょう。

TIME/DIVの設定を読み間違える

TIME/DIVの単位を間違えると、周期も周波数も大きくずれます。

たとえば、200μs/divと200ms/divでは、1000倍も違います。

オシロスコープの画面や設定欄をよく確認し、単位まで正しく読むことが大切です。

波形が流れたまま測定してしまう

波形が横に流れている状態では、周期を正しく読み取れません。

この場合は、周波数を測定する前にトリガ設定を直します。

トリガが安定していないと、自動測定値もふらつくことがあります。

波形が流れる場合は、まずトリガ設定を確認しましょう。

ノイズを周期として読んでしまう

ノイズが多い波形では、本来の周期ではなく、細かいノイズの変化を読んでしまうことがあります。

この場合、表示される周波数が不安定になったり、実際より高い周波数として表示されたりすることがあります。

ノイズが多い場合は、

  • トリガレベルを調整する
  • プローブのGNDを短くする
  • 測定点を確認する
  • 必要に応じて帯域制限を使う
  • 平均化機能を使う

などの対策を考えます。

AC結合とDC結合の設定を間違える

周波数測定では、AC結合とDC結合の設定も確認しておくと安心です。

基本的に、信号全体の電圧レベルを確認したい場合はDC結合を使います。

一方、直流成分の上に乗った小さな交流成分だけを見たい場合はAC結合が便利です。

ただし、低周波信号をAC結合で測定すると、波形が正しく表示されない場合があります。

AC結合とDC結合については、別記事「オシロスコープのAC結合とDC結合の違いをわかりやすく解説」でも詳しく説明しています。

大学実験レポートでの書き方例

大学実験のレポートでは、単に「周波数は1kHzだった」と書くだけでなく、どのように求めたかを書くとわかりやすくなります。

レポート記述例

オシロスコープで出力波形を観察したところ、1周期の横幅は5divであった。
このときTIME/DIVは200μs/divであったため、周期Tは

T = 5 × 200μs = 1000μs = 1ms

となる。したがって、周波数fは

f = 1 / T = 1 / 0.001 = 1000Hz

より、1kHzである。

このように、目盛り数、TIME/DIV、周期、周波数の順番で書くと、計算過程が伝わりやすくなります。

考察で書くとよいポイント

レポートの考察では、測定値と理論値を比較するとよいです。

たとえば、理論値が1kHzで、測定値が0.98kHzだった場合、誤差は小さいと考えられます。

一方で、大きくずれている場合は、

  • TIME/DIVの読み取り誤差
  • トリガ設定の不安定さ
  • ノイズの影響
  • 回路定数の誤差
  • 信号源の設定誤差

などを考察できます。

初心者におすすめのオシロスコープ関連アイテム

オシロスコープで周波数を測定する場合、本体だけでなく、信号を発生させる機器や測定用のケーブルもあると便利です。

電子工作や大学実験の復習では、以下のようなものがあると学習しやすくなります。

  • 入門用デジタルオシロスコープ
  • 10:1オシロスコーププローブ
  • 信号発生器
  • BNCケーブル
  • ブレッドボード
  • ジャンパ線
  • ワニ口クリップ付きリード線

特に信号発生器があると、正弦波や方形波の周波数を変えながらオシロスコープで確認できるため、周波数測定の練習に向いています。

安全上の注意

オシロスコープを使うときは、安全にも注意が必要です。

特に、家庭用コンセントのAC100Vや商用電源を一般的なオシロスコープで直接測定するのは危険です。

接続方法を間違えると、ショート、感電、測定器の故障につながるおそれがあります。

大学実験や電子工作では、まず低電圧の回路から測定しましょう。

商用電源や高電圧回路を測定する場合は、必ず指導者の指示に従い、必要に応じて差動プローブや絶縁された測定環境を使用してください。

まとめ

オシロスコープで周波数を測定するには、まず波形の周期を読み取ります。

周期とは、波形が1回繰り返されるのにかかる時間です。

周波数と周期には、

f = 1 / T

という関係があります。

オシロスコープで周波数を測定する基本手順は、次の通りです。

1. 波形を安定して表示する
2. TIME/DIVを確認する
3. 1周期分の横幅を読む
4. 周期Tを計算する
5. f = 1 / T で周波数を求める

正弦波では山から次の山まで、方形波では立ち上がりから次の立ち上がりまでを1周期として読むとわかりやすいです。

また、デジタルオシロスコープではカーソル機能や自動測定機能を使うことで、より簡単に周期や周波数を確認できます。

ただし、自動測定値だけに頼るのではなく、波形が安定しているか、TIME/DIVの単位が正しいか、1周期を正しく読めているかを確認することが大切です。

大学実験で周波数を測定するときは、測定値だけでなく、周期の読み取り方や計算過程もレポートに書けるようにしておきましょう。

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